ID INC. ロゴ

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2019 / 麻布十番 秦野よしき

高さ5mを超える地下空間に佇む江戸前鮨店

Interior

Graphic

麻布十番に位置する高級寿司店「秦野よしき」の店舗内装とショップカードなどのトータルデザインを手掛けました。大将の秦野芳樹氏は、江戸前寿司の伝統技法に独自のアレンジを加え、常に驚きと革新を提供しています。それに呼応するかのように、吉野檜のカウンター、版築壁、なぐり加工の木材などを使用し、伝統とモダンを融合させたデザインを実現しました。

Features

課題

さらなる顧客体験の向上と他店との差別化

移転に伴い候補に挙がった物件は、天井高さ5mの地下空間。この空間にコストを抑えつつも、顧客体験の向上と他店との差別化を図ることが課題となりました。食と一体となった空間の演出と設えも不可欠であり、伝統的な江戸前寿司の雰囲気を保ちながら、現代的な要素を取り入れて新たな魅力を提供することが求められました。

提案

伝統と革新の融合を感じされるデザインと素材選び

鮨の舞台となるメインカウンター席には約5mの吉野檜を使用し、その他の装飾を極力排除して鮨に集中できる空間としてデザイン。大将が「江戸前」にこだわる想いをそのままに、伝統と手間隙を感じさせる素材選びと革新を感じさせるモダンなテイストを提案しました。さらに各種導線にも配慮し、最小限の人数で効率良くおもてなしができる空間を設計しています。

成果

鮨を媒介にコミュニケーションする舞台としての役割

「江戸前」にこだわり、鮨づくりの技術を磨いてきた秦野氏。江戸前寿司は立ち食い鮨を起源に持つとされ、今回の挑戦は、秦野氏にとって自身のルーツと向き合う機会でもありました。職人と顧客が鮨を媒介にコミュニケーションする。店内の関連デザインは、大将の技術と哲学を反映する一助となり、多くの利用客に好評を得ています。

Concept

地下の暗さ、天井高さ5mの条件を逆手にとった「静けさの中に佇む一軒家」をイメージ。銅の含んだ侘び寂びを感じさせる入り口の扉から始まり、アプローチ部分には5mの吹き抜けを設けています。上を見上げると吸い込まれるような暗闇が地中感を演出し、5層の版築仕上げが地層を想起させつつ、その“うねり”が訪れる顧客に驚きと期待感を与える空間アプローチを提案しました。

Products
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