国内デザインコンサルファーム10選:選び方や注意点と合わせて解説
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「デザイン会社って、正直どこに頼めばいいのかわからない」このようなお悩みをお持ちではないでしょうか。
せっかく予算を投じるのであれば、成果に直結する「本物のパートナー」を選びたいですよね。
しかし、見た目がオシャレなだけで中身が伴わない会社も少なくありません。
本記事では、国内の実力派デザインコンサルファームを10社に厳選し、それぞれの特徴や選ぶときの注意点をわかりやすく解説します。
本記事をご覧いただくことで、貴社のビジネスに最適なデザイン会社が見つかり、売上やブランド価値を高める第一歩が踏み出せます。
まずは気になる1社から、ぜひチェックしてみてください。

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この記事で分かること
国内デザインコンサルファーム10選
自社の魅力を正しく見せたいのに、制作物が部署ごとに異なるトーンで作られ、統一感が出ないと悩む企業は少なくありません。デザインコンサルティングを活用すれば、ブランド方針に沿った一貫した見え方を構築でき、採用や営業活動にも良い影響を与えられます。
ここでは、国内で相談先として検討しやすい10社を紹介します。得意分野や強みが異なるため、比較しながら自社に合う支援パートナーをぜひ検討してみてください。
- ID株式会社
- えそら合同会社
- 株式会社グッドパッチ
- 株式会社ARCHECO
- INDIGO DESIGN有限会社
- 株式会社日本デザインセンター
- フェンリル株式会社
- 株式会社コンセント
- 株式会社LIG
- Vareal株式会社
ID株式会社

引用元:ID株式会社
ID株式会社は、AI × ブランディングをテーマに掲げ、企業の価値を多面的に整理しながら、一貫した見え方をつくる支援を行う会社です。CI / VI の設計から企画、Web開発、空間デザインまで扱うため、ブランド方針を起点にした統合的な改善が進めやすい点が特徴です。
AIを活用した分析やクリエイティブ開発に力を入れ、定性的な判断だけに頼らないアプローチを導入しています。経営者が抱えやすい「デザインが部署ごとにばらつく問題」を、データとクリエイティブの両面から整える姿勢が強みです。
事例として、カプセルホテルのリブランディング、医療機器商社の刷新、物流企業のブランド強化などがあります。理念整理、ロゴ開発、Web刷新、内装デザインなど複数の接点を統合して改善した事例が多く、AIによる分析や方向性の可視化を活用した独自のプロセスも特徴です。
制作領域が幅広いため、ブランド方針を具体的なビジュアルや体験へ落とし込む流れがスムーズです。言語化と視覚化の両方を専門家に委ねたい場合、候補として検討しやすい会社です。
えそら合同会社

引用元:えそら合同会社
えそら合同会社は、企業の魅力や価値を「物語」として再構築し、ブランド戦略に落とし込むスタイルで知られる会社です。ブランドを単なるデザインとして扱うのではなく、企業の背景や経営者の想いを丁寧に解釈し、言語化とビジュアル制作を組み合わせて整理する点が特徴です。
企業の課題を発掘するヒアリングやワークショップの実施にも強く、社内の共通認識を整えながら方向性を固めていくプロセスを重視しています。デザインに入る前の上流工程に時間をかけるため、制作物のブレが起きにくい点も魅力です。
事業構想支援、ブランド戦略、コンセプトメイク、コミュニケーション設計などの実績が掲載されており、企業の内部に深く入り込むプロジェクトが多く紹介されています。ロゴやWebの制作だけでなく、ブランドの土台づくりから伴走する事例が特徴です。
企業の物語を中心に据えるアプローチは、発信内容がまとまりにくい企業にとって相性の良い点があり、ブランド方針を固めたい企業が依頼しやすい支援体制です。定性的な魅力の言語化を求める経営者との相性も高いため、自社の価値を丁寧に整理したい場合に向いています。
株式会社グッドパッチ

引用元:株式会社グッドパッチ
株式会社グッドパッチは、UI / UXを中心としたデザインコンサルティングで広く知られる会社です。デジタルサービスの改善や新規事業の立ち上げに強く、ユーザー体験を軸にした設計を行う点が特徴です。
デザインの美しさだけでなく、使いやすさや成果につながる導線づくりを重視しており、プロトタイピングを活用したスピーディな検証プロセスを採用しています。プロジェクトの透明性を高めるためのコミュニケーションも丁寧で、開発チームや経営層と同じ目線で議論を進めやすい体制が整っています。
金融、医療、物流、教育など幅広い領域でのUI / UX改善、アプリの刷新、新サービスの立ち上げといった実績が多くあります。ユーザーインタビューやデータ分析から課題を抽出し、体験全体を再設計する事例が目立つため、デジタル接点を強化したい企業には適したパートナーです。
また、成果物の提供だけでなく、デザイン組織づくりの支援にも取り組んでおり、社内にデザインの考え方を浸透させる活動に注力しています。Webやアプリの統一感を高めたい企業や、使いやすさを起点にブランド価値を高めたい企業に向いている会社です。
株式会社ARCHECO

引用元:株式会社ARCHECO
株式会社ARCHECOは、ビジネス戦略の整理からUI / UX設計、MVP開発までを一貫して支援するデザインコンサルファームです。見た目だけの刷新ではなく、事業の目的や提供価値を再整理したうえで、ユーザー視点で使いやすいサービスへ導く点が特徴です。
サービス設計や価値提案の定義にも踏み込み、活用シーンを想定した体験設計を重視しています。自社のサービスが複雑になり、どこから改善すべきか迷いやすい企業に向いているアプローチです。
ビジネスモデル設計、収益計画、UXリサーチ、プロトタイピング、MVP開発など、設計から実行まで一貫した支援を行っています。画面設計においては人間中心設計の考え方を取り入れ、ユーザーの行動を捉えたUI改善を行うプロセスが示されています。
新規サービスの立ち上げでは、検証モックの制作やPoC支援も行っており、実装段階まで伴走する体制が整っています。デジタル領域の統一感が出ない場合や、サービス全体を再設計したい場合に検討しやすい会社です。
INDIGO DESIGN有限会社
INDIGO DESIGN有限会社は、東京を拠点に活動するプロダクトデザインスタジオです。思想の中心には、移り変わりの早い流行を追うのではなく、長く愛される「普遍性」を持つデザインを探求する姿勢があります。
見た目の派手さよりも、静けさや余白の持つ力を重視し、使い手の体験を丁寧に想像しながら形へ落とし込む点が特徴です。
サービスや製品を通じて一貫した世界観を築きたいと考える企業におすすめです。
また、プロダクトデザインだけでなく、コンサルティングや教育支援にも取り組んでいます。企業が自らデザインの価値を発揮できる状態をつくることを重視しており、表面的な改善にとどまらず、伝えたい価値の整理まで伴走する点が強みです。単発の制作依頼ではなく、企業全体の見え方や姿勢を整えたい場合に検討しやすい会社です。
株式会社日本デザインセンター

引用元:株式会社日本デザインセンター
株式会社日本デザインセンターは、広告、グラフィック、映像、Web、空間、プロダクトなど、多様な領域を横断する日本を代表するデザイン会社です。企業のコミュニケーション設計からアートディレクション、ブランドの視覚言語づくりまで幅広い実績があります。
企業の背景や文化を深く理解し、それらを視覚的に整理して伝える点に強みがあります。ブランドの印象を決定づけるロゴや広告制作に加え、企業の世界観を統一する仕組みづくりを得意とするため、ブランド全体の整合性を高めたい企業に向いています。
実績には、大規模な広告キャンペーンからCI開発、Webサイト設計、プロダクトデザイン、展覧会や空間デザインまで多岐にわたります。企業や行政機関などの幅広い組織と取り組んだ例が多く、メッセージ性と美しさを兼ね備えた表現が特徴です。
ビジュアル統一の難易度が高い案件にも対応できる体制があり、ブランドの見え方を根本から整えたい企業が依頼しやすい会社です。
フェンリル株式会社

引用元:フェンリル株式会社
フェンリル株式会社は、UI / UXデザインとアプリ開発を中心に支援する会社です。大手企業との共同開発や自社製品の実績が豊富で、使いやすさとビジュアルの調和を追求する姿勢が示されています。
デザインとエンジニアリングの両面を持ち、アプリやWebサービスを見た目が良いだけで終わらせない点が強みです。ユーザーの体験を最適化し、サービス全体の品質を底上げしたい企業に適したパートナーです。
実績には、金融、通信、エンタメ、交通など幅広い分野のアプリ開発があります。プロジェクトではユーザー調査や動線設計を行い、行動に基づいたUI改善を重視しています。デザインガイドラインの策定にも対応しているため、複数サービスを展開する企業でも統一感を維持しやすくなります。
また、開発体制が整っているため、コンセプト整理からリリース後の改善まで一貫して依頼できる点も魅力です。デジタル領域の質を高めながら、ブランドの印象をそろえたい場合に検討しやすい会社です。
株式会社LIG

引用元:株式会社LIG
株式会社LIGは、Web制作、メディア運営、コンテンツ制作を中心に事業を展開する会社です。企業サイトや採用サイトの制作だけでなく、ブランディング、コンテンツ企画、漫画・動画制作まで幅広く対応している点が強みです。
大きな特徴は、企業の「個性」や「温度感」を読み取り、文章やデザインに落とし込む力にあります。堅くなりがちな企業情報も、親しみやすく伝えることが得意なため、雰囲気を上手く表現できずに悩む企業には相性が良いパートナーです。
実績として、コーポレートサイトや採用サイトの刷新、ブランドサイト立ち上げなど、多様なプロジェクトがあります。特に採用領域では、求職者に向けた体験設計やストーリー設計に強く、企業の文化を魅力的に伝えるサイト制作が目立ちます。
また、記事コンテンツや動画制作まで一貫して依頼できるため、情報発信のトーンをそろえやすい点も魅力です。自社の魅力はあるのに「伝わり方」に課題を感じる企業にとって、頼りにしやすい会社です。
Vareal株式会社

引用元:Vareal株式会社
Vareal株式会社は、Webアプリケーション開発、スマートフォンアプリ開発、AIシステム開発を中心に、企画から要件定義、設計、UI / UX、開発、運用までを一貫して支援する会社です。
「開発の上流から関わる」姿勢を重視しており、単なる外注ではなく、事業の成長を共に考えるパートナーとして伴走する点が特徴です。また、サービス改善を急ぎたい場合でも、課題の整理から検証までスピーディに進められる体制が整っています。
開発領域として、業務効率化システム、予約サイト、EC、AI解析システムなど、幅広く対応しています。また、アジャイル開発に対応しているため、リリース後も改修を続けながらサービスを育てることができます。開発とデザインを別々に依頼して統一感を失いやすい企業にとって、一貫した体験づくりを任せやすい会社です。
デザインコンサルティングとは
デザインコンサルティングは、企業が抱える課題を「見た目」だけで解決するのではなく、ビジネスの目的や顧客体験を踏まえて全体の流れを再設計する取り組みです。
ロゴやWebサイトを単体で改善するのではなく、ブランドの方向性、情報の伝わり方、サービスの使われ方まで含めて整理するため、統一感のあるコミュニケーションが生まれます。デザインを制作作業として扱うのではなく、経営と結びついた「戦略行為」として扱う点が大きな特徴です。
企業が自社で制作物を作り続けていると、部署ごとにデザインの基準が異なり、トーンが揃わなくなることがあります。デザインコンサルティングは、そのズレを根本から見直し、ビジュアルとメッセージの一貫性を整える役割を担います。
さらに、上流工程への関与が前提となるため、問題がどこで発生しているかを明確にできる点も強みです。情報の構造、顧客の動線、担当部署の役割、サービスの難しさなど、多くの課題がデザイン以前の部分に隠れています。
これらを事前に整理することで、制作物の品質が安定し、改善のスピードも上がります。デザインを「作る」ではなく「機能させる」ためのプロセスとして捉えます。
デザインコンサルファームとデザイン会社の違い
デザインコンサルファームとデザイン会社の違いは、「どこから関わるか」と「何を成果とするか」にあります。デザイン会社はロゴ、Web、パンフレットなど、依頼された制作物を形にする役割が中心です。
一方でデザインコンサルファームは、制作前の上流工程に入り、企業の課題や目的を整理したうえで、何をつくるべきかを定義します。制作物を作る前に「なぜ作るのか」を固めるため、アウトプットの統一感が生まれやすい点が大きな特徴です。
制作だけを依頼した場合、部署ごとに判断基準が異なり、トーンが揃わないことがあります。デザインコンサルファームは、ブランド方針、情報設計、顧客体験などを横断的に整えるため、複数の制作物でも共通の軸が持てます。
また、制作を伴わない提案や改善計画を行うケースもあり、経営に近い位置で判断を支援できる点も強みです。何を作れば効果的か分からない企業にとって、方向性を決める「起点」になりやすい存在です。
デザインコンサルファームの選び方
デザインコンサルファームを選ぶ際は、制作物の美しさだけで判断してしまうと、期待した成果につながらないことがあります。重要なのは、企業の課題をどこまで理解し、どの範囲まで改善に関わるのかを見極めることです。
特に中堅規模の企業では、部署ごとに判断基準が異なりやすいため、外部パートナーが整える役割を果たせるかどうかが大きなポイントになります。
ここでは、選ぶ際に確認しておくべき4つの観点を整理します。
選び方① 実績が豊富か
デザインコンサルファームを選ぶとき、最も判断しやすい基準が「実績」です。実績は単なる数の問題ではなく、どの領域で、どの規模の企業と、どのような課題に向き合ってきたかを見ることが大切です。
自社が抱える課題に近い事例がある会社ほど、状況を理解してくれる可能性が高くなり、提案の精度も安定します。また、課題整理から制作まで一貫して支援している実績があるかどうかも重要です。制作実績だけが並び、上流のプロセスが見えない場合は、統一感のある改善が進みにくくなることがあります。
実績を確認する際は、Webサイトに掲載された案件だけに依存しないこともポイントです。掲載されない依頼も多く、問い合わせ時に「どの程度の規模まで対応できるか」「どの領域が得意か」を直接確認することで、相性が見えやすくなります。
また、実績の幅が広い会社は、多様な課題に触れているため、判断の引き出しが多く、整理のスピードも速い傾向があります。自社の状況と近い事例があるかどうかを起点に検討すると、選び間違いを避けやすくなります。
選び方② スピード感があるか
デザインコンサルファームを選ぶ際は、提案から実行までのスピード感も重要な基準になります。社内の制作物がばらついている企業ほど、課題が複数の部署にまたがりやすく、意思決定が遅れると改善のタイミングを逃してしまいます。
そのため、課題整理の段階から動きが早く、初期のヒアリングや方向性の提示までをスムーズに行えるパートナーは大きな価値になります。スピードがある会社は、整理すべき情報を迅速にまとめ、必要な判断材料を早い段階で提示してくれるため、改善に向けた動き出しがしやすくなります。
確認すべきポイントは、提案までの期間、初期調査の進め方、社内外の関係者との調整力などです。メールや打ち合わせでのレスポンスが丁寧かつ早い会社は、実行フェーズでも安定した進行が期待できます。
一方、初動が遅い場合、制作段階でも遅延が起きやすく、社内のスケジュールが乱れる原因になります。また、スピード感は「無理に急ぐ」ことではなく、「必要な判断を的確なタイミングで行えるか」を示す指標です。見積りや提案までに時間がかかりすぎる会社よりも、情報の整理と提示が早い会社を選ぶことでプロジェクト全体が進めやすくなります。
選び方③ 支援の範囲
デザインコンサルファームを選ぶ際には、「どこまで支援してもらえるのか」を必ず確認しておく必要があります。課題整理だけを行う会社、制作まで一貫して対応する会社、あるいはサービス設計や組織づくりまで踏み込む会社など、支援範囲は大きく異なります。
自社が抱える問題が複数領域にまたがっている場合、上流だけでなく、ロゴやWeb、資料など具体的な制作物まで対応できる会社のほうが統一感をつくりやすくなります。また、支援範囲が広いほど、部署を横断した調整もスムーズになり、判断の軸を一本化しやすくなる点も重要です。
確認すべきポイントは、ブランド整理、情報設計、体験設計、制作、改善までのプロセスをどこまで扱えるかという点です。制作のみを外部に任せるケースでは、上流での判断が不十分なまま進み、トーンのばらつきが起きることがあります。
一方、支援範囲が明確な会社は、必要な工程を事前に説明してくれるため、社内の段取りも整えやすく、認識のズレも防げます。自社に必要なのが「部分的な制作」なのか、それとも「全体の整理」なのかを明確にし、それに対応できる支援範囲を持つ会社を選ぶことが失敗を防ぐ鍵になります。
選び方④ 担当者との相性
デザインコンサルファームを選ぶ際、担当者との相性は意外に大きな要素になります。デザインコンサルティングは、課題の深掘りから意思決定の整理、制作物の方向性まで企業の内側に踏み込む業務です。
担当者と価値観が合わなかったり、説明が分かりにくかったりすると、プロジェクトの方向性が安定せず、社内調整に余計な時間がかかります。逆に、理解が早く、質問の意図を汲み取り、迷った時に適切な選択肢を提示してくれる担当者は、プロジェクトの質とスピードを大きく底上げします。
相性を確認するためには、初回の打ち合わせで「こちらの課題をどれだけ正確に捉えているか」「話し方や説明が明瞭か」「判断の根拠が分かりやすいか」を見ることが効果的です。
また、担当者がプロジェクトの全体像を把握しているかどうかも重要です。窓口だけの役割にとどまり、実務を理解していない担当者の場合、コミュニケーションのズレが生じやすくなります。
最終的には、相談しやすいか、意見を言いやすいかという「人としての相性」も判断基準になります。長期間の伴走が前提となるため、安心して任せられる担当者かどうかを見極めることが必須です。
デザインコンサルファームを選ぶ際の注意点
デザインコンサルファームは専門性が高いため、初回の印象だけで判断すると、期待値と実際の支援内容にギャップが生まれることがあります。
制作物の統一だけでなく、社内体制や意思決定の整理が必要になる場合、パートナー選びを誤ると改善が遠回りになってしまいます。そこで重要なのが、依頼側が事前に押さえておくべき注意点です。
ここでは、選ぶ前に確認しておきたい3つの視点をまとめます。
注意点① 丸投げはNG。自社内でも目的を明確にする
すべてを外部に任せる形で進めると、成果が期待とズレやすくなります。デザインコンサルティングは「何を改善すべきか」を定義するため、自社の状況や目的が曖昧なままでは、正しい方向性を設定できません。
事前に「どこに課題があるか」「何を改善したいのか」を社内で共有しておくことで、提案の精度が高まり、プロジェクトも進めやすくなります。
丸投げによって起きやすいのが、外部が描いた方向性と社内の認識がズレることです。初期段階では、必要な情報を提供し、判断基準を共有する姿勢が欠かせません。最低限の目的が社内で固まっていれば、提案の比較がしやすくなり、進行の手戻りも防げます。依頼前の目的整理は、プロジェクト成功の大きな鍵になります。
注意点② 安さだけで選ばない
費用の安さだけで判断すると、必要な工程が省かれ、十分な成果につながらないことがあります。デザインコンサルティングは、課題整理、方向性の設計、情報構造の整備など、見えにくい上流工程に多くの時間がかかります。
極端に安いサービスでは、これらが十分に行われず、結果的に制作物の質が揃わないまま進んでしまうケースが少なくありません。
また、安価な依頼では担当者のリソースが限られ、適切な提案や改善サイクルが回りにくくなることもあります。費用を抑えること自体は問題ではありませんが、必要な工程を削った状態で依頼してしまうと、後から手戻りが発生し、結果的にコストが増えることがあります。費用を見る際は、何が含まれているか、どこまで伴走してもらえるかを必ず確認することが重要です。
注意点③ 過去事例と成果をきちんと比較する
掲載されている事例を雰囲気だけで判断しないことが重要です。事例には制作物の完成形だけが並びがちですが、見るべきポイントは「どんな課題に対して、どのようなプロセスで改善したのか」「成果はどこまで可視化されているか」という点です。
課題の整理から施策の実行まで一貫して支援している事例が多い会社ほど、プロジェクトの再現性が高く、依頼後の進め方もイメージしやすくなります。
また、自社の状況に近い業種や規模の例があるかどうかも大切です。全く違う領域の事例ばかりだと、課題に必要な知見が十分でない可能性があります。確認時には、成果指標や改善前後の変化など、数字やプロセスが語られているかをチェックしましょう。
事例を「作品集」としてではなく、「実績の裏付けとしての資料」として見ることが、選び間違いを防ぐ鍵になります。
まとめ
デザインコンサルティングは、制作物を整えるだけの取り組みではなく、企業の目的や顧客体験を踏まえて全体の伝わり方を再構築するプロセスです。制作会社との違いを理解し、実績、スピード感、支援範囲、担当者の相性を踏まえて選べば、社内では整理しきれなかった課題もスムーズに解決へ向かいます。
また、依頼前に自社の目的を整理し、費用や事例を正しく比較することで、パートナーとのズレを防ぎ、プロジェクトの質を高められます。デザインに一貫性や統一感が生まれると、営業、採用、広報など、複数の接点で好影響が広がります。もし自社の「見え方」に課題を感じている場合は、ブランド方針に沿った整理ができるパートナーと早めに対話を始めることで、改善の道筋が明確になります。

AI活用で理念を素早く可視化し、ブランド戦略〜CI・VI設計までワンストップで伴走します。まずは無料相談・資料請求から。
