経営者が知っておきたい!関係式で表す3つのブランド階層
Branding
ブランド階層とは、マスターブランド型、マルチブランド型、サブブランド型の主に3つがあり、新規事業や新規サービスの立ち上げの時、企業とサービスが市場でどのように認知されるかを決める重要な要素です。実例をまじえて、わかりやすく、それぞれのメリット、デメリットについても説明していきたいと思います。
マスターブランド型:
企業ブランド > サービスブランド
企業ブランド(親ブランド)が最も強力です。親ブランドのビジョン、世界観、信頼性などがすべての製品やサービスに影響を与え、ブランドの統一感を保ちます。そのため、個々の製品ブランドやサービスブランドは、企業ブランドの影響下にあるといえます。
企業例:楽天 eコマース、金融サービス、モバイルサービスなど、多岐にわたる事業を展開していますが、すべてのサービスに「楽天」という名の冠がつき、強力なマスターブランドのもとで印象づけられています。
メリット:
- ブランド認知度と信頼性を高めやすい
- マーケティングコストを抑えられる
- ブランドイメージを統一しやすい
デメリット:
- 異なるターゲット市場や製品カテゴリーの新たな印象づけが難しい
- ブランドイメージの幅が広がりにくい
マルチブランド型:
企業ブランド < サービスブランド
個々のブランドに独自のアイデンティティと市場ポジショニングを持たせることで、オリジナリティを強めます。企業ブランドと距離を置いた複数の独立したブランドが市場に展開することで、それぞれを別個の市場セグメントやニーズに合わせて、柔軟なアプローチが可能になります。
企業例:P&G ジョイ、ファブリーズ、h&s、アリエールなど、多種多様なブランドを有しています。それぞれのブランドは独自のターゲット市場を持ち、異なる消費者のニーズに応えています。
メリット:
- 異なるターゲット市場やニーズに合わせたブランドメッセージを構築できる
- ブランドイメージを多様化できる
デメリット:
- ブランド管理が複雑になる
- マーケティングコストがかかる
サブブランド型:
企業ブランド = サービスブランド
企業ブランド(またはマスターブランド)と個々のサブブランドが互いに補完し、対等な関係になっているともいえます。マスターブランドの価値と信頼性がサブブランドにも影響される一方で、サブブランドは特定の市場やニーズに合わせてカテゴライズもされています。
企業例:Apple 皆さん、ご存知のiPhone、iPad、Macなどのサブブランドを展開しています。これらの製品は、Appleの強力なマスターブランドのもとで独自の特性を持ちながら、特定の顧客ニーズに対応しています。各製品はAppleブランドの一貫したイメージを保ちつつも、異なる機能や利用シーンに特化しています。
メリット:
- マスターブランドの信頼性を活かせる
- サブブランドで独自性を表現できる
- ターゲット市場をより明確にできる
デメリット:
- ブランド管理が複雑になる
- マスターブランドへの依存度が高くなる
マスターとサブブランド型、両面をもつ Apple のブランド戦略
Appleのブランド戦略は、マスターブランド型とサブブランド型の両方の特性を捉えることができます。
- マスターブランド戦略としてのApple
典型的なマスターブランド戦略の例とも見なせます。全製品ラインにわたって一貫性を持ち、高品質、革新性、ユーザーフレンドリーなデザインといった特徴が共有されています。iPhone、iPad、MacBookなど、各製品はAppleブランドの強力なアイデンティティと価値を反映し、全ての製品が「Apple」というマスターブランドの傘下にあるともいえます。 - サブブランド戦略としてのApple
一方で、iPhone、iPad、iMacなどは、 既に独立した製品アイデンティティを持っていて、サブブランド戦略の要素も持ち合わせています。Appleブランドの核となる価値観を共有しつつも、それぞれ特定の市場ニーズに応えるために異なる機能やデザインを持っています。しかし、完全に独立したブランドというよりは、マスターブランドの範囲内での拡張と見なされることが 正しいかもしれません。
まとめ
マスターブランド、マルチブランド、サブブランドの型は、市場でのブランドの位置づけやターゲット顧客に合わせて異なるアプローチを提供します。適切なブランド階層を構築することは、市場で成功を収め、持続的なブランド価値を構築するために不可欠です。
企業は自社の目標、製品特性、市場環境を考慮して、最も適切なブランド階層を考慮する必要があると思います。
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