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2024. 02. 28

経営者必見!市場でのブランドの立ち位置を決める「3つのブランド階層」

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経営者必見!市場でのブランドの立ち位置を決める「3つのブランド階層」

ブランド戦略の重要性:あなたの会社はどの型?

ブランドは企業の顔であり、経営の根幹をなす重要な要素です。しかし、新規事業や新サービスを展開する際に 「企業ブランドとサービスブランドの関係をどう設計すべきか?」 という課題に直面する経営者は多いのではないでしょうか?

そこで今回は、企業のブランド戦略を構築する上で知っておくべき 「3つのブランド階層」 を解説します。これらを理解し、自社に最適なブランドの配置を見極めることで、ブランド価値を最大限に高め、競争力を強化することができます。

マスターブランド型:企業ブランドを軸に統一感を保つ

関係式:企業ブランド > サービスブランド

マスターブランド型は、企業ブランド(親ブランド)が最も強力であり、提供するすべての製品やサービスがその影響を受けるブランド戦略です。この型では 企業のビジョン・世界観・信頼性が、製品やサービス全体の価値を高める 役割を果たします。

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企業例:楽天

楽天は、eコマース・金融サービス・モバイル事業など、幅広いサービスを展開していますが、すべてに「楽天」の名前が付いています。このように、ブランド名を統一することで消費者の認知度を高め、安心感を提供する戦略を取っています。

📈 メリット

ブランド認知度と信頼性を強化
企業名を軸にするため、一貫したブランドメッセージを伝えやすい。
マーケティングコストの削減
各サービスごとに異なるブランディングを行う必要がなく、広告・広報戦略の統一が可能。
ブランド価値の最大化
企業ブランドの評判が、すべてのサービスに好影響を与える。

📉 デメリット

異なるターゲット層への訴求が難しい
企業ブランドのイメージが固定化されるため、新しい市場への展開時に柔軟な印象づけが困難。
ブランドイメージの制約
すべてのサービスが同じブランドイメージを持つため、多様なブランド戦略を展開しにくい。

マルチブランド型:市場の多様性に対応する

関係式:企業ブランド < サービスブランド

マルチブランド型は、 各ブランドが独立したアイデンティティと市場ポジショニングを持ち、企業ブランドと距離を置く 戦略です。これにより、それぞれのターゲット市場や顧客ニーズに合わせた、柔軟なブランド展開が可能になります。

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企業例:P&G

P&Gは、ジョイ、ファブリーズ、h&s、アリエールなど、多種多様なブランドを展開しています。それぞれのブランドは独自のターゲットを持ち、異なる消費者のニーズに応えています。

📈 メリット

異なる市場に最適なアプローチが可能
各ブランドが独立しているため、異なるターゲット市場に適したブランドメッセージを構築できる。
ブランドイメージの柔軟性が高い
企業ブランドに縛られず、消費者のニーズに応じて最適なブランディングを実施できる。

📉 デメリット

ブランド管理が複雑になる
それぞれのブランドが独自の戦略を持つため、統一したブランド管理が難しくなる。
マーケティングコストが高くなる
各ブランドごとに広告・PR戦略を設計する必要があり、コストがかかる。

サブブランド型:企業ブランドと個別ブランドのバランスを取る

関係式:企業ブランド = サービスブランド

サブブランド型は 企業ブランドのもとで個々のブランドが独自の特性を持ちつつ、企業ブランドの信頼性を活かす戦略 です。企業ブランドと個々のブランドが相互に補完し、対等な関係を持つのが特徴です。

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企業例:Apple

Appleの iPhone、iPad、Mac などの製品は、それぞれ異なる特徴を持っていますが、すべてAppleブランドのもとで展開されています。これにより、Appleブランドの一貫性を維持しながらも、製品ごとに独自の市場を開拓することができます。

📈 メリット

企業ブランドの信頼性を活かせる
Appleのように、強力な企業ブランドのもとで各製品ブランドが展開されるため、消費者に安心感を提供できる。
サブブランドの独自性を確立できる
各ブランドが異なる特性を持ちながらも、統一されたブランド戦略を維持できる。

📉 デメリット

ブランド管理が複雑になる
マスターブランドとサブブランドのバランスを取る必要があり、ブランディング戦略が難しくなる。
企業ブランドへの依存度が高くなる
サブブランドの成功が、マスターブランドのイメージに大きく左右される。

ケーススタディ:Appleのハイブリッド戦略

Appleは マスターブランド型とサブブランド型の両方の特性を持つ戦略 を採用しています。

マスターブランド戦略としてのApple

Appleというブランドのもと、一貫したデザイン・品質・ユーザーエクスペリエンスを提供。iPhone、iPad、MacBookなどの製品すべてが「Appleブランド」のアイデンティティを持つ。

サブブランド戦略としてのApple

iPhone、iPad、iMacは、それぞれ独自のターゲット市場を持ちつつ、Appleのブランド価値を活かしている。サブブランドとしての個性を持ちながらも、Appleブランドの一貫性を維持している。

まとめ:自社に合ったブランド階層を選ぶ

ブランド戦略は、 企業の目標・市場環境・製品特性 によって最適な形が異なります。

統一感とコスト効率を重視するなら → マスターブランド型
多様な市場ニーズに応えたいなら → マルチブランド型
企業ブランドを活かしつつ、各ブランドの独自性も持たせたいなら → サブブランド型

どのブランド戦略を選択するかは、 企業の成長戦略と市場の状況を踏まえて慎重に決定 する必要があります。

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