ブランディング広告とは?広告の種類やレスポンス広告との違いも解説
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企業価値向上と中長期的な競争力の獲得を目指す上で、近年「ブランディング広告」の重要性が再認識されています。従来のレスポンス広告がCPA(顧客獲得単価)最適化による短期成果を重視してきたのに対し、ブランドイメージや顧客ロイヤリティを醸成する広告施策の関心が高まっています。
マス広告からデジタル広告、タイアップ広告、交通広告など手法は多岐にわたり、各種KPIで評価しながら企業独自の世界観を社会に浸透させる取り組みが求められます。
本記事では、ブランディング広告の本質とレスポンス広告との違い、主な種類や評価指標、代表的な成功事例まで体系的に解説します。

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この記事でわかること
ブランディング広告とは
ブランディング広告は、企業やサービスの認知度やイメージを高めることを目的とした広告手法です。
今すぐの購買促進ではなく、長期的なブランド価値の向上を目指す点が特長です。例えば、テレビCMや交通広告、Web動画などがその代表例です。
消費者の選択肢が増えた現代では、商品の特徴だけで選ばれることが少なくなりました。「信頼できるブランド」「好きなブランド」と認識してもらうためには、継続的なイメージ形成が不可欠です。
ブランディング広告によって、企業は価格競争から脱し、顧客ロイヤリティや中長期的なLTV(顧客生涯価値)向上も実現しやすくなります。
近年は、CPA重視のレスポンス広告だけでは限界があるという声も増え、ブランドの世界観や価値観を伝える広告が重視される傾向が強まっています。
ブランディング広告とレスポンス広告との違い
ブランドを成長させるためには、ブランディング広告とレスポンス広告の違いを理解して使い分けることが重要です。
この章では、両者の主な違いを次の3つに整理して解説します。
① 目的の違い
ブランディング広告は、企業やサービスの認知度向上やイメージの構築が主な目的です。消費者との信頼関係やブランドイメージを長期的に育てるために使われます。
一方、レスポンス広告は資料請求や購入など、具体的なアクションを即時に促すための手法です。
ブランディング広告では、中長期的なファンづくりやLTV向上が重視されます。対して、レスポンス広告は「今すぐ成果を可視化する」ことが特徴です。
例えば、企業の理念やブランドストーリーを伝えるCMはブランディング広告、割引やキャンペーン訴求のバナーはレスポンス広告に該当します。
このように、目的の違いを理解することで、広告手法の選択や運用方針が明確になります。
② 成果が出るまでの時間軸
ブランディング広告は、認知度やイメージの向上といった成果が中長期的に現れるため、効果がすぐに見えにくい傾向があります。信頼や好感といったブランド資産は、時間をかけて積み重なり、やがてファン化や購買行動に結びつきます。
一方、レスポンス広告は短期間で数値として成果が把握しやすい点が特長です。
例えば、配信直後から問い合わせ数や購入数など、目に見える結果が得られやすいです。
ブランディング広告は、効果を実感するまでに根気強い運用が求められますが、レスポンス広告は素早い改善や目標管理がしやすい利点があります。
このように、成果が現れるまでの時間軸を理解することで、最適な広告戦略を組み立てやすくなります。
③ 評価指標(KPI)の違い
ブランディング広告とレスポンス広告は、効果測定で使う指標が大きく異なります。
ブランディング広告は、認知度や想起率、ブランドイメージといった定性指標が中心です。ブランドへの好感や信頼の変化などは、調査やアンケートなどの手法で把握します。
一方、レスポンス広告ではクリック数やコンバージョン数など定量指標が主に使われます。資料請求や購入数など、短期間で明確な数値として成果が現れるのが特長です。
このように、定性指標と定量指標の使い分けを理解することで、各広告施策に適した目標や評価方法を設定しやすくなります。
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ブランディング広告のメリット
ブランディング広告には、単なる認知拡大以上の多くの利点があります。
ここでは、ブランディング広告が企業やサービスにもたらす主なメリットを3つご紹介します。
メリット① ブランド認知・信頼の向上
ブランディング広告の強みは、ブランドの認知度と信頼性を同時に高められることです。
継続的な情報発信によって消費者の記憶にブランドが定着しやすくなります。
また、信頼できるブランドとして認識されることで、価格競争に巻き込まれにくくなり、中長期的な企業価値の向上にもつながります。
広告で一貫したメッセージや世界観を伝えることで、消費者との心理的距離も縮まります。ブランドに対するポジティブなイメージが広がると、他の商品やサービスとの差別化も明確になります。
さらに、信頼や好感度が高まれば、クチコミやSNSでの拡散にもつながりやすくなります。これらの好循環によって、広告効果が持続的に広がる土台が生まれます。
メリット② 中長期的な集客力の強化
ブランディング広告は、一時的な集客や売上だけにとどまらず、時間をかけて安定した集客力を育てる役割を持っています。ブランドの価値が浸透することで、消費者から「選ばれ続ける存在」になることが可能です。新規顧客の獲得だけでなく、リピーターやファンの増加が期待できます。
中長期的な視点で広告活動を続けることで、顧客ロイヤリティが高まり、LTVの向上につながります。消費者の選択肢が多様化した今、ブランドとしての信頼や独自性は大きな競争力となります。
また、安定したブランドイメージを構築することで、市場環境や流行の変化に左右されにくい強みも得られます。広告の即効性だけに頼らず、将来の売上や顧客基盤を着実に築き上げることが可能です。
メリット③ 他広告施策との相乗効果
ブランディング広告は、単独でも効果を発揮しますが、他の広告施策と組み合わせることでさらなる相乗効果が得られます。ブランドイメージが強まると、リスティング広告やSNS広告の成果にも良い影響が生まれやすくなります。
例えば、ブランド認知が向上すれば、指名検索やSNSでの話題が自然に増えるため、レスポンス広告のクリック率やコンバージョン率も伸びやすくなります。
また、ブランド価値や世界観が明確になれば、各広告チャネルでのメッセージやクリエイティブに一貫性を持たせやすくなります。この一貫性が信頼感を生み、施策全体の効果を底上げします。
ブランディング広告のデメリット
ブランディング広告には多くの利点がありますが、導入・運用に際しては注意点やデメリットも存在します。
ここでは、主な課題とその対策について解説します。
デメリット① 短期間で効果が見えにくい
認知度やブランドイメージなど、効果の多くが定性的であるため、投資対効果を判断しづらくなります。アンケート調査やブランドリフト調査を活用することで、間接的に変化を把握することは可能ですが、レスポンス広告と比べて効果の即時性や透明性に一定の制約が存在します。
この課題をカバーするためには、事前に評価指標を明確に設定し、ブランド認知やイメージの変化を定期的に追跡する仕組みが有効です。また、複数の手法を組み合わせて全体の広告効果を評価することも重要です。
デメリット② 戦略やクリエイティブの質に左右される
ブランディング広告は、戦略設計やクリエイティブの質が成果に大きく影響します。ブランドの価値や世界観を正しく表現できていない場合、期待した効果が得られないケースも見受けられます。
ターゲットに響かないメッセージや一貫性のない表現では、認知拡大やイメージ向上につながりにくくなります。
このようなリスクを回避するためには、事前にブランドの方針やビジョンを明確にし、クリエイティブ制作の段階でも一貫した方向性を保つことが重要です。外部パートナーや社内関係者との連携も、質の高い広告展開には欠かせません。
また、定期的なフィードバックや評価を実施し、メッセージや表現の適切さを継続的に見直す体制を構築することが、ブランディング広告の効果最大化につながります。
ブランディング広告の種類
ブランディング広告にはさまざまな種類があります。目的やターゲットに応じて適切な手法を選ぶことが、ブランド価値の向上や認知拡大に直結します。
ここでは、代表的な4つの手法を解説します。
① マス広告

マス広告は、テレビCMや新聞、雑誌、ラジオなどのメディアを活用し、幅広い層にリーチできる代表的なブランディング広告のひとつです。
広範囲に情報を届けることで、短期間での認知拡大やブランドイメージの定着に効果を発揮します。
ターゲットが明確でない場合や、幅広い年代・地域への訴求を重視する際に有効です。一方、媒体費が高額になりやすいため、綿密な計画と費用対効果の管理が求められます。
近年はデジタルとの連動施策も増え、クロスメディア展開によって相乗効果を狙うケースも見られます。マス広告を適切に活用することで、ブランドの認知度を一気に高めることが可能です。
② タクシー広告

タクシー広告は、都市部やビジネス街を中心に展開されるブランディング広告の一種です。
車内モニターやステッカーなどを活用し、移動中の乗客に直接リーチできる点が特長です。特に、経営層やビジネスパーソンなど決裁権を持つ層に訴求しやすい媒体として注目されています。
また、反復的に同じメッセージや映像を届けられるため、記憶への定着やブランド認知の強化に有効です。駅や空港周辺など人の流れが多いエリアでは、特に効果を発揮します。
一方で、エリアやターゲットが限定されることから、全国的な認知拡大を目指す場合には他の広告手法との併用が推奨されます。広告内容やターゲット属性を踏まえ、活用シーンを見極めることが成果につながります。
③ タイアップ広告

タイアップ広告は、メディアやインフルエンサーと連携し、記事や動画、イベントなどでブランドの魅力を訴求する手法です。
第三者の視点やストーリー性を生かすことで、広告色を抑えながらブランドイメージを自然に広げられます。
WebメディアやYouTube、SNSなどターゲット層が集まる場所で展開されることが多く、認知拡大や信頼構築に効果的です。タイアップ先の発信力を活用することで、自社だけでは届きにくい層へのアプローチも可能となります。
ただし、タイアップ先のブランドやコンテンツとの相性を十分に見極め、目的に合ったメディア選定や一貫性あるメッセージ設計が求められます。
④ ディスプレイ広告

ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリの広告枠に画像や動画を表示し、幅広いユーザーにリーチできるデジタル広告の代表的な手法です。
多様な媒体で配信できるため、ターゲット層ごとに配信先やクリエイティブを柔軟に調整できます。
バナーや動画広告として掲載することで、ブランドの認知度向上やイメージ形成に寄与します。特に、リターゲティング機能や配信データの活用により、効果的なアプローチが可能です。
ただし、表示回数やクリック数など、効果を可視化しやすい一方で、バナー広告の表示が多いと広告への興味が薄れる「バナー疲れ」に注意が必要です。メッセージやデザインの工夫により、ユーザーの関心を維持することがポイントとなります。
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ブランディング広告の効果測定でよく使用される指標
ブランディング広告は即効性よりも中長期的な成果を重視するため、効果測定には適切な指標の選定が不可欠です。
この章では、実際に使用される主要な指標を4つ紹介します。
① 認知度・想起率
認知度・想起率は、ブランドがどれだけ多くの人に知られているか、また、広告接触後にどの程度思い出してもらえるかを測定する定性指標です。
主にアンケート調査やリサーチ会社によるパネル調査を通じてデータを取得します。ブランド認知度の向上はブランディング広告の最も基本的な効果であり、継続的に把握することで施策の成果を判断しやすくなります。
また、認知度だけでなく「想起率」を測定することで、広告がどれだけ記憶に残っているかも確認できます。新規ブランドの場合は、まず認知の広がりを重視し、既存ブランドでは定期的な想起率のチェックがブランド力維持につながります。
② 指名検索数
指名検索数は、ユーザーが検索エンジンで企業名や商品名など特定のキーワードを入力した回数を測定する定量指標です。
ブランディング広告の成果が検索行動に現れるため、広告による認知拡大や関心の高まりを間接的に把握できます。
例えば、テレビCMやWeb広告実施後にブランド名での検索数が増加した場合、広告による影響が可視化されます。また、SNS施策やタイアップ広告と組み合わせることで、指名検索の変化をより詳細に分析することも可能です。
指名検索数の推移を継続的にモニタリングすることで、ブランドの浸透度やキャンペーンの効果を定量的に評価できます。これにより、次の施策やクリエイティブ改善に活用しやすくなります。
③ エンゲージメント指標
エンゲージメント指標は、ユーザーがブランドにどれだけ関与しているかを測定する定量・定性の両面を持つ指標です。
主にSNSでの「いいね」「シェア」「コメント数」など、ユーザーのリアクションを中心に集計します。Webサイトの場合は、ページ滞在時間や再訪率なども含まれます。
エンゲージメントが高いほど、ブランドへの関心や好意が強まっていると考えられます。これらの数値は、広告やコンテンツがユーザーに受け入れられているかを判断する材料になります。
また、数値だけでなく、投稿内容やコメントの質的な分析を行うことで、ユーザーがどのような理由でブランドに魅力を感じているのかも明らかにできます。エンゲージメント指標は、単なる認知にとどまらず、ファンづくりの進捗を可視化するのに有効です。
④ ブランドリフト調査
ブランドリフト調査は、広告接触による認知度やイメージ、購入意向の変化を測定する定性・定量の調査手法です。
主にWeb広告や動画広告の配信後、広告を見たグループと見ていないグループに分け、ブランドに対する意識や行動の違いを比較します。
この調査を活用することで、広告施策がどの程度ブランド認知や好感度に影響したかを具体的に数値化できます。例えば「このブランドを知っていますか」「商品を購入したいと思いましたか」といった設問を用い、広告効果を多角的に評価します。
ブランドリフト調査の結果は、今後の広告戦略やクリエイティブ改善の根拠として活用できます。単なる露出量だけでなく、消費者の意識や行動にポジティブな変化が見られるかを確認できます。
ターゲットの認知・好意・購買意向が一貫して高まっている場合、質の高いブランディング施策といえるでしょう。
ブランディング広告の成功事例
効果的なブランディング広告は、企業の成長やブランド価値の向上に大きく寄与します。
ここでは、日本国内で注目を集めた2つの成功事例をご紹介します。
① サントリーホールディングス

引用元:https://sun-ad.co.jp/works/suntory/
サントリーホールディングスは、創業当初はウイスキーなどの酒類での事業基盤を築いてきましたが、清涼飲料やミネラルウォーターを含む飲料事業も展開し、幅広いブランドポートフォリオを構築しています。
同社では2003年に「水と生きる」という環境広告のキャッチフレーズを新聞広告で使用し始め、その後、企業メッセージへと発展させました。これは、事業活動の基盤である「水」の価値を強調し、環境保全や社会との共生を訴えるメッセージとして位置づけられています。
このように、ブランドとしての価値観や理念を広告や広報を通じて一貫して発信することで、生活者の間での認知や好感度の向上につながりました。結果として、単なる商品訴求にとどまらない企業価値の形成に成功しています。
② メルカリ

引用元:https://about.mercari.com/
メルカリは2013年に設立され、スマートフォンを活用したフリマアプリとして日本国内で高い知名度を築いてきました。設立以来「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」というカンパニーミッションを掲げ、誰でも簡単に売り買いができるマーケットプレイスの実現を目指しています。
ブランディング広告においては、テレビCMやデジタル広告など多様なチャネルを活用し、「フリマアプリ=メルカリ」という認知獲得を進めてきました。積極的なマーケティング活動や社会貢献活動がブランドイメージ向上の一因となっています。
さらに、ユーザー同士のつながりや安心・安全な取引環境への取り組みなども、公式サイトで発信しています。こうした継続的なブランディング広告と企業活動の一体化が、サービスの信頼性や認知度を高める結果につながっています。
まとめ
ブランディング広告は、短期的な成果だけでなく、企業やサービスの価値を長期にわたり高めるために欠かせない施策です。
レスポンス広告と比較すると、即時的な効果測定や成果の「見える化」には一定の工夫が求められますが、認知度や信頼性の向上、中長期的な顧客基盤の拡大など多くのメリットが期待できます。
実際、サントリーホールディングスやメルカリの事例からも分かるように、ブランドの理念や世界観を継続的に伝えることで、競争優位やファンの獲得に結びついています。
自社のブランド価値をどのように市場へ発信し、どのように顧客とつながっていくかを再考するきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

当社は、ブランド戦略設計からコンセプトメイク、クリエイティブ制作まで一貫してご支援します。
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